同じ海藻でも色が違うのは、なぜなの?

早いものでこの海藻コラムも今回で3回目。
まだまだ海藻について伝えたいことがたくさんあります。

今回の海藻コラムのテーマは、海藻の色についてです。

 

 

目次

海藻はご存じの方も多いと思いますが、緑色・赤色・茶色など色もカラフルで種類も豊富です。

 

普段は気にすることなく、おいしくいただいている海藻たち。
これからお鍋がおいしい季節になりますが、お鍋の出汁に欠かせないのが昆布ですね。

 

昆布は黒っぽい茶色、お味噌汁や酢の物に欠かせないワカメも本当の色は茶色。
そして私も好きなヒジキは黒色。他にも赤色や緑色をした海藻があります。

 

では、なぜ同じ海藻でも種類によっていろいろな色があるのでしょうか?
その、思わず「へぇ~」と思ってしまう理由を今からお話ししていきましょう。
私もはじめて海藻の色の違いの理由を知ったときは驚きました。家族にも自慢して話したほどです。

 

それでは早速、コラムに入っていきましょう。

 

■このコラムを読むと得られる知識

では同じ海藻なのに、なぜいろいろな色の海藻が生息しているのか?
これはズバリ、海藻の性質と海の深さと太陽の光に関係があります。

 

私は海藻の色の違いの理由を知ったとき、本当に驚きました。
ですから、今日、このコラムを読んでいただくことで、お子さんとの会話はもちろん、学校の懇談会でも会話の中にサラッと入れていただくと自慢できる内容だと思っています。

 

さて、海藻の色は、海藻の性質と海の深さと太陽の光に関係があることは先ほど少しお話ししました。
ですから、海藻の色で、海の浅いところに生息している海藻なのか、深いところに生息している海藻なのか、おおよその検討がつくのです。

 

このコラムを読んだ方も、これからは海藻の色を見ただけで私たちと同じように分かるようになります!

では、なぜ海の深さと太陽の光等が、海藻の色に関係があるのでしょうか?

 

■海藻の種類は大きく3つに分かれる

海藻の深さと太陽の光と海藻の色の関係のお話しの前に、カンタンですがもう少しだけ予備知識になるお話しをしたいと思います。

 

実は海藻の種類は、大きく、緑藻類、褐藻類、紅藻類という3つのグループに分類されるのをご存じでしょうか?

 

各グループに、緑色・褐色・紅色の文字があるため、海藻は色で分類される生物だと誤解している人も多いようです。

でも、緑藻類でも、赤色や褐色の海藻があったり、褐藻類なのに褐色に見えない海藻があったり、紅藻類なのに赤色ではない海藻があったりとさまざまです。
ですから、海藻は色によって分類されている訳では無いということも一緒に覚えておいてください。

 

では、なぜ海の深さと太陽の光等が海藻の色に関係があるのかについて、お話ししていきたいと思います。

 

■太陽光と海の深さについて

海藻の色の秘密は太陽の光の『色』と海の深さ、そして海藻に含まれている『色素』にあります。
ちょっとだけ説明が難しくなりますが、少しお付き合いください。

 

太陽の光というとプリズムを使った理科の実験でご存じの方も多いと思いますが、6色の光に分かれています。(7色という説もあります。)
紫、青、緑、黄、橙、赤の6色です。
(本来はもっと分けられるのですがわかりやすく今回は6色とします。)

 

この太陽光が海の中を進むと・・・
まず、海の上層で、赤色と橙色、紫色が吸収され、青色は海水に吸収されず、バラバラに散っていきます。(ちなみに、海が青いのは、青色だけが海水に吸収されずに、海の上層でバラバラに散乱されるからです。)

 

さらに水深が深くなると黄色が吸収されてしまいます。そして最後に緑色が残ります。
つまり、海の下層まで届く光は『緑色』だけなのです。

 

海藻は光合成をすると言いましたが、海藻は海の深い所まで生息しています。
そのため、海の深いところで生きていくためには、最後に残った緑色の光を吸収しなくてはならないのです。

 

■海藻の色素の性質について

陸上の植物や海藻の中には、光合成をするために、クロロフィルaという色素が含まれています。このクロロフィルaは赤系と青系の光を吸収します。陸上の植物はクロロフィルaの働きが強いため、赤系と青系の光を吸収し光合成をしています。そして残った緑色は吸収されず反射するので、陸上の植物は緑に見えるのです。

 

そして、浅瀬に生息するアオサなどの緑藻類は、陸上の植物と似ているので、緑色なのです。

 

褐藻類は、クロロフィルa以外に青緑色を吸収するフコキサンチンという色素を持っています。(フコキサンチンは橙色をしています。)

青緑色は、緑色の次に海の深いところまで届く光ですから、この青緑色の光を吸収できる褐藻類は、緑藻類より深いところに生息することができるのです。

 

この褐藻類は、緑色、橙色、黄色、赤色の光を吸収しないので、褐色をしています。

昆布やワカメは、褐藻類の仲間です。
ちなみに、生きているときは褐色なのですが、熱をかけるとフコキサンチンとタンパク質のつながりが切れて、青緑色のクロロフィルaが優勢になるので緑に見えるのです。

 

そして、もっとも深いところで生息できる海藻は、緑色の光をよく吸収できる海藻だけになります。そのため、トサカノリなどの赤色の紅藻類が分布しているのです。
赤色は緑色の光を吸収しますからね。

 

紅藻類は、クロロフィルa以外に、緑色の光りを吸収するフィコエリスリンという色素を持っています。このフィコエリスリンは、赤色の光を吸収できないため赤色に見えます。

ただし、同じ紅藻類でも、浅い海に住んでいる海藻もいます。それが海苔の仲間です。

 

海苔の仲間は、緑を吸収するフィコエリスリン以外にもフィコシアニンという赤を吸収する色素も持っています。

 

つまり海苔は、青から赤に至るまで、多くの色素を持っているので、黒っぽい色をしているのです。(黒色はより多くの光を吸収しやすい色です。)

 

■同じ海藻なのに色が違う不思議

海の深さによって、届く光の色が違うというお話しをしましたね。
水深によって変わる光の色、そして同じ海藻でも色が違う謎。
もう、答えが分かりましたね。

 

海藻も光合成をしないと生きていけません。
少しでも多く光を吸収しなければならないことを考えると、なぜ海藻が、黒、茶、赤、緑、などに分かれているのか答えが出てきますね。

 

つまり、海藻の色の違いは、それぞれの水深に届く光をもっとも多く吸収できる色に進化した結果なのです。

 

水深と海藻

 

海面に近いところで生きている海藻は、光のほぼ全部の色を吸収するため黒色が多くなります。

水深が浅いところでは、赤色と青色の光を吸収しやすくするために、緑色や黒色に近い色になり、水深が深いところの海草は緑色の光を吸収しやすくするために赤色の海藻が多くなるわけです。

 

緑藻類、褐藻類、紅藻類などの藻類の種類が色の名前で分類されていても、海面に近い海藻は、赤色と青色の光を吸収しやすくするために緑や黒に近い色になり、海深くに生息している海藻は、青緑色や緑色の光を吸収しやすくするために赤色や茶色が多くなるのです。

 

光の到達の深さと海藻

 

■疑問に思ったことで分かった

私が今回、海藻の色についてコラムを書こうと思ったキッカケは、海藻も陸の植物も同じように太陽の光で光合成をして炭水化物を作り成長のエネルギーにしているのに、陸上の植物のように、なぜ緑色では無いのだろう?緑色ではなくても、なぜ赤色とか黒色とか統一した色ではないのだろう?と思ったからでした。

 

陸上の植物は少しの違いはあっても光合成をする葉の色は『緑』です。
でも、海藻も同じように光合成をするのに、なぜ黒色や茶色や赤色などの色があるのだろう?おかしいですよね。

 

先ほどもお話ししましたように、海に差し込んだ光が分解されて、それぞれの水深で、もっとも多い色の光を吸収しやすくするために、海藻が進化していたなんて、まったく想像もつきませんでした。

 

■まとめ

今回のコラムは、説明が難しいところもありましたが、これが海藻にカラフルな色が多い理由です。海藻の色が海の深さと太陽の光等に関係していたなんて驚きですよね。

 

緑藻類、褐藻類、紅藻類と海藻が、色によって分類されていると誤解されやすいのですが、太陽の光が届く海の深さによって、同じ緑藻類、褐藻類、紅藻類であっても全く違う色の海藻が存在するという理由がこれで分かりましたね。

 

ぜひ、ちょっとした小話にでも使ってみてください。
それではまた次回の海藻コラムをお楽しみに。

コラム:海藻太郎