海で見かける海藻は、自由に採っても良いの?

海に浮かぶワカメ

 

冬から春にかけての海は海藻の宝庫。

イワノリ、コンブ、ワカメ、アオサなど馴染みのある海藻を見ることができ、潮が引いた岩場に生育している海藻を採取したり、海岸に打ち上げられた海藻を拾っている人もよく見かけます。

 

潮干狩りに出かけた時に、海中にぷかぷか浮いている海藻を拾ったことがある!

なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、いつでもどこでも自由に海藻を採取しても良いのでしょうか?

 

今回のコラムでは、「海藻は自由に採っても良いの?」を一緒に検証していきましょう。

 

目次

■今回のコラムのメリット

今回の海藻コラムを読むことで、得られる読者の方々のメリットはこちらです!

 

  1. 釣りや潮干狩りに行った時の海のルールが分かる!
  2. 採っても良い海藻の種類が分かる!
  3. お子さんに海藻採取の方法を教えることができる!

以上の3つです。

今回もぜひ楽しんで読んでください。

 

 

各都道府県で設定される共同漁業権

サザエ、アワビなどは勝手に採ってはいけないというのは、皆さんご存知のことかと思いますが、

実は海藻もサザエやアワビなどと同様に「漁業権」が設定されています。

 

各都道府県では、一定の水面を共同に利用して漁業を営む権利である「共同漁業権」が

設定されている場所があります。

 

海藻太郎が住む熊本県でも、ほぼ全ての沿岸にこの共同漁業権が設定されており、

その対象となっているのが、海藻ではヒトエグサ(アオサ)、アオノリ、ワカメ、ヒジキ、トサカノリなど。

 

海藻以外ではサザエ、アワビ、アサリ、ハマグリ、タコ、イセエビ、ウニ、ナマコなどがあります。

 

この対象となる、海藻を含む水産動植物を、無断で採取した場合は、漁業権侵害に該当する場合があります。

 

海藻を収穫する漁師

 

水産庁のホームページでも、「共同漁業権の設定水面では、漁業権の対象となっている漁業の操業を

妨害したり、漁場の価値を損なうようなことがあれば、その行為の中止や排除を請求され、

または漁業権侵害として告訴され20万円以下の罰金となることがある」と記載されています。

 

では、禁止されている対象種以外の海藻であれば採っても良いのかと思ってしまいますよね?

その場合も、一般の私たちが海岸で海藻を採取するのは「海面漁業調整規則」などによって

漁法や漁具が規制されている場合があるので注意が必要です。

 

 

海で使える漁具、漁法の種類は下記のように定められています。

○徒手(手摘みによって採取する方法)

○たも網・さで網(木、竹、金属の枠に袋網をつけ、柄をつけてすくい取る漁具)

○投網(袋状の網を水面に投げ広げ、かぶせて引き上げる漁法)

○やす・いそがね・くまで

 

しかし、これらの許可漁具や漁法であっても夜間には使えないとか、

昼夜とも潜水具をつけているときは何も採取してはいけないなどの細かい規制があります。

水中眼鏡ひとつだけでも潜水具となってしまいます。

 

また、海岸に生育している海藻だけでなく、海岸に打ち上がっている海藻や

海中にぷかぷかと浮いている海藻についても規制がかかっていることがあります。

そのため、海藻を採取したい場合は採取禁止対象種類だけでなく利用できる漁法などを事前に確認、

把握しておく必要があります。

 

 

海藻採取についてコラムを書こうと思った背景について

今回、海藻採取についてのコラムを書こうと思った、きっかけについてお話ししたいと思います。

先日、子供と一緒に海岸を歩いていた時に、波で打ち上げられてくるワカメを見て

「このワカメ持って帰ってもいいの?」と質問されました。

即答できずに、話をそらしたことを覚えています。

 

帰宅して早速調べてみると、サザエやアワビなどと同様に海藻にも漁業権があることが分かり、

過去の新聞掲載記事の中から「アーサ採ったらだめ」という見出しを見つけました。

 

2015年2月の沖縄県宮古毎日新聞に掲載されたもので、

宮古島の海岸に自生するヒトエグサ(宮古島方言・アーサ)を地元女性が採取したとして、

宮古島海上保安署が「警告書」を出しています。

女性は子供のころからアーサを採って楽しんでいたようで、採ったものを販売はしておらず、

自分で食べたり近所の人におすそ分けしていたということでした。

 

子供のころから慣習としてアーサを採ってきたお年寄りたちには、いまひとつのみ込めないというのが

実情だったようですが、この記事を読んで私たちも知らないうちに法にふれてしまうことが

あるかもしれないと思い、今回のコラムとして取り上げました。

 

 

海藻採取の重要なポイント

だからといって、全ての海藻を採ってはいけないということではありません。

海藻を採取したい場合には、採取場所となる海岸を管理している漁業協同組合に注意点を直接確認するか、

インターネット上で公開されている地域の漁業権一覧を事前に確認して、

採取禁止対象種や利用できる漁具や漁法を把握しておけばいいのです。

 

まとめ

今回のコラムを読んで、漁業権があっては海が楽しめないなんて思った方もいらっしゃるかと思います。

漁業者は水産資源の恵みを受けて漁業を営み生活の糧としているのはもちろんですが、同時に資源を適切に

管理する役割も担っています。

10年後、20年後も大好きな海藻が食べ続けられるように、私たちもしかっりと海のルールを守って生活していか

なければなりませんね。

今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

海藻 太郎