第1回〈HMFはどこにある?〉/「HMFと健康」全5回

パームシュガー1回目※写真はイメージです。

 

 

「HMFと健康」全5回
第1回 HMFはどこにある?
第2回 メイラード反応とHMF
第3回 HMFは善玉か悪玉か?
第4回 くすりになったHMF
第5回 公開準備中

 

第1回〈HMFはどこにある?〉

 普段はほとんど耳にしないヒドロキシメチルフルフラール(HMF)とは、カラメル香を放つ食品成分です。一体どんな食品に入っているのでしょう。

 

 もうおわかりですよね。そうです、カラメルです。同じものがパームシュガーにも入っていますが、こういう食材を毎日口にする人は少ないはずです。それでもHMFは「誰もが毎日口にしている」のです。

 

 

 では、カラメルとパームシュガー以外にHMFを含む食べ物を探してみましょう。カラメルの原料は砂糖ですが、白糖にHMFは入っていません。

 

 砂糖ならどれでもHMFが入っているという訳ではないのです。HMFを含むパームシュガーはむしろ例外です。黒砂糖なら入っているだろうと思いきや、実はデータがありません。

 

 

 何故ないのか・・・理由は、昔からHMFは着色物質で、新鮮な蜂蜜やシロップには入っていない。このことを根拠にして鮮度など品質を保証するマーカーになっているのです。ではパームシュガーの品質に問題があるというのでしょか?

 

 それがそうではないのです。カラメルのことを考えればお分かりいただけますが、砂糖を加熱するとできるカラメルの香り、それがHMFなのです。カンボジアの工場でパルミラヤシの花の蜜を濃縮するときカラメル反応が進行して、そしてできるのがパームシュガーです。だからできたてのHMFを含んでいます。

 

 

 日常生活のあちこちで、できたてのHMFが見つかります。カラメルやパームシュガーほどではありませんが、食材に砂糖を混ぜて加熱する料理には必ずHMFが入っています。

 

 ただし比較的短い調理時間と沸騰温度の100度まででは、ほんの少ししかできません。ですからHMFを多く摂ろうと思ったら、それなりのものを選ばなければならないのです。

 

 HMFをたくさん含む食品を調べてみましょう。特に多いものが3つあります。一番多いのは、南高梅の果汁を煮詰めた梅肉エキス。

 

 

 次に多いのはコーヒーと干したプルーンです。お気づきのように3つとも黒い色をして、酸味を感じる点が似ています。しかしコーヒー以外は普通の人が毎日口にするものではありません。

 

 

 さて、パームシュガーが食材として優れている点はどこにあるでしょうか。第1に、プルーンやコーヒーと同じくらいのHMFを含んでいること、第2には、パームシュガーを使って調理すれば、更なるおまけが加わります。例えば、コーヒーに入れる砂糖にパームシュガーを選べばよいのです。

 

 そうして1日に摂るHMFが薬理作用量に近づけば、健康な日々にまた1つ利点が加わるというものです。

 

「HMFと健康」全5回
第1回 HMFはどこにある?
第2回 メイラード反応とHMF
第3回 HMFは善玉か悪玉か?
第4回 くすりになったHMF
第5回 公開準備中

 


 

岡教授

 

■岡 希太郎(おか きたろう)

1941年、東京都生まれ。東京薬科大学名誉教授。

東京大学薬学部博士号取得後、スタンフォード大学医学部客員研究員。日本の薬学教育に医療薬学を導入して、薬の正しい使い方を教授研究した。引退後は「コーヒーと健康」をライフワークとして予防医療を研鑽している。

 

著書に『珈琲一杯の薬理学』(医薬経済社)、『コーヒーの処方箋』(医薬経済社)、『カフェイン もうドーピングなどとはいわせない』(医薬経済社)、『医食同源のすすめ』(医薬経済社)、『毎日コーヒーを飲みなさい。』(集英社)、『珈琲一杯の元気』(医薬経済社)。